こんにちは、管理部さん(@acts1216)です。今回は『モヤモヤを克服する話し方』についての記事です。
あなたも上司との会話でうまく伝わらないといった経験ありますよね。これはなぜかというと、「他者理解」がうまくいかなかったために会話に齟齬が生じていることが原因です。
こんなことが思い当たるのは、他者理解が不足していることが原因かもしれません。これをキャリアカウンセラーをおこなってきた経験から書いていきます。
ちなみにタイトルに「話し方」と書いておいてなんですが、この記事のキーワードは聞き方です。
聞き方なのカモー!ビックリカモ!!
話しててモヤモヤする原因は相手のことがわからないから
会話するたびに不信感が生まれ、相手の気持ちがわからなくなることがあります。これは、自分と相手の価値観の違いが原因がほとんどです。なぜなら、この価値観を知らず知らずのうちに自分の価値観で一方的に話してしまうことがあるからです。
例えばこんな会話
上司「さっきのクライアント、デザイン決まった?」
部下「大丈夫です」(ごそごそと書類を探る)
上司「決まったの?決まってないの?」
部下「決まりました、こちらです」(むすっとして、書類を渡す)
これは、わかりやすい例ですが、上司が決まったかどうかについて尋ねているのに「大丈夫」というあいまいな返事をしています。
もしかしたら部下から見ると、常日頃上司に対して「大丈夫」という表現を使っているにも関わらず、この時だけ迫られるような質問をされたのかもしれません。
これは双方どちらが悪いというわけではなく上司部下の言い方聞き方のニュアンスの微妙な違い(思い込み)があり、相互的に誤解を生んでいる状態となります。
今も昔も価値観の違いでコミュニケーションが失敗する
この思い込みが厄介で、私たちが言語・非言語、言葉・文章問わずあらゆる意思疎通において落とし穴のようにたくさんあります。
例えば、こんな会話
上司「一昨日頼んどいた件できた?」
(やってほしい仕事があるんだけど、一昨日に頼んだ仕事の進捗具合によって他の人に頼もう)
部下 「いえ、まだできていませんけど。」
(一昨日来週末までで良いって言ってたじゃん!しかも昨日も2回ぐらい確認されたし、なんか無能扱いされているの?)
上司「わかった、それならいいよ」
(むすっとしているな、他の人に頼んだ方がいいな)
一見普通な会話ですが、()の心の内を見ると、明らかに解釈の違いが生じています。前後の文章はありませんが、これはお互いの価値観の下で会話をしているからです。
上司としては、仕事を振るかどうかの目安として聞いているだけなのに、部下側から見ると何回も確認されているので、単純な進捗状況の確認ではなく何かよからぬ(無能扱い)ことがあるのではないかと考えています。
うまく伝えるうまく伝わる他者理解を極めよう
これら価値観の違いや思い込みによるすれ違いを回避するため、他者理解というものは必要です。
他者理解とはなにか
他者理解とは、お互いの価値観の知る行為です。世の中の様々な価値観の人が暮らしています。全くの異文化交流や初めての人に会った時、あなたも私も見た目ぐらいしか情報がありません。仲良くなろうとお互い話をして初めてお互いのことがわかります。
初めて同士の会話では意外とモヤモヤはそこまで起きません。なぜなら、お互いわからなくて当然だからです。お互い「わからない」「知らない」を前提に話を進めていくから他者理解をしながらの会話がしやすくなります。
ですが、上司や部下、妻や夫など、長年連れ添った人同士が会話すると「このぐらい言わなくてもわかるだろう」という考えが出てきてついつい話を「はしょる」傾向にあります。
これこそが落とし穴なのですが、このはしょった部分にちょっとした違いが出てくると、溝がどんどん大きくなります。そして、信頼関係が崩れモヤモヤした気持ちが出てきてしまいます。
他者理解に必要なのは承認、状況確認、フラットに接する
では、何をすると他者理解が進むのか、キーワードは、承認、状況確認、フラットに接するです。
- 承認・・・・・相手を認めてあげること
- 状況理解・・・思い込みをせずにしっかり確認すること
- フラットに接する・・・お互い違う人間だと認識すること
この3つこそ、モヤモヤを解消させる近道です。これらで、モヤモヤした気持ちが回避できます。
会話としては、下記を気をつければ、だれでもできます。
- 話を聞く(相手のことを観察・理解しようとする)
- 聞いた話を自分なりに解釈してあっているか問いかける、応答する
- ミラーリング、オウム返しなど繰り返す
- 間違っている場合やニュアンスがずれている場合再度確認する
- 場合によっては、聞いた自分の気持ちを述べる
です。例えば、上の会話の例でいうと
上司「一昨日頼んどいた件、できた?」
部下 「〇〇件の進捗ですか。期限来週末でしたよね、まだできていません。昨日、二回も確認していましたけど、何か問題ありましたか」
上司「問題ないんだけど、今日やってほしい仕事が急にできて、頼みたいんだ」
部下側のみ変更しています。「できた?」という曖昧な問いに対して「現在の進捗状況を確認したい」「二回も聞いたからなにかある」と考え部下は返答しています。
それを受けて上司も理由を説明しています。これこそが、他者理解です。相手の考えを読み取り自分の解釈を述べる。そうしてお互いの考えていることがわかります。
ちなみにこの「考えていること」は、カウンセラーの間で「知、情、意」(知識情報)と呼ばれています。知識、感情、意思の略で哲学者カントが述べたものです。
知っていること(知識)、気持ち(感情)、どうしたいか(意思)を開示してもらうこと質問することで相手のことを深く理解ができます。
他者理解を実践する方法(練習方法)
「左手(右手)を使かうかのようにする」
あなたは、相手の悩みに対してすぐアドバイスしていますか。アドバイスしているのであれば、それは落とし穴の可能性があります。
相手が相談を持ち掛けてきたとき「問題を解決したい」という気持ちもありますが、「悩みを聞いてほしい」という場合が多くあります。そして、「解決方法を知っているが不安だ」という気持ちも持っている可能性があります。
「悩みを聞いてほしい」「解決方法を知っているが不安だ」という方にアドバイスは不要です。なぜなら「聞いてほしい」だけだから。これができないがために相手のことをモヤモヤさせてしまい結果的に信頼関係が崩れます。
この”聞くだけが厄介”でカウンセラー初学者が初めてカウンセリングを行うと陥る罠となります。私がカウンセラーの先生に言われたのは
「普通右手を使っている動作を左手で行うようなこと」
ということです。何かというと話をするときに“話を聞く””しゃべること”自体に意識を傾けることはありません。ですが、そこに意識を傾けるとまるで”右利きの人が左手で字を書く”かのように途端に難易度が上がります。
これは得手不得手ありますが、訓練によって解決できますので、モヤモヤした会話を何とかしたい方は下記の方法を意識して会話に取り組むと効果が表れます。
承認をしてみる
相手の話を聞いてあげるって具体的には何?という問いの回答がこちら。承認です。
やってみてほしいステップは3つだけ。ちょっとずつ練習すれば信頼感の得られる会話ができます。
この3つが承認すること、相手の気持ちをつかむことになります。
相手の行動をミラーリング、相手の言うことの要点だけ返す
ミラーリングとは、相手の言動や動作などをマネすることです。『信頼を勝ち取る〇〇』みたいな本によく出てきますが、それと同じです。
相手の言うことを最後のところだけ返すは、聞いた話の要約をすることです。
例えば、「このデザインの件について変更したいんだけれども、右側の図形と左側の図形のバランスが崩れているから直してほしい」と聞かれれば、返答は「このデザインの左右の図形のバランスを直すんですね」でOKです。
同じ言葉を返すのもOKですが、オウム返しをしすぎると”かえって話を聞いていない人”という印象を与えてしまいます。ちゃんと自分の言葉に落としてから返すのが吉です。
相手の言った「何が(行動/出来事)、どうだった(気持ち)」を返す
相手に「わかってもらえた」という気持ちが起こるのは、相手が気持ちについて共感し答えてくれたと思ったからにほかなりません。そのための方法は、行動や出来事とそれに伴う気持ちを返すことです。例えばこんな会話
上司「私の作った資料が、社長に思いのほか好評で案件が通りそうだよ。」
部下「案件が通りそうでうれしいのですね。」
わかりやすい上司です。この会話では「案件が通りそう」(出来事)ということについて「思いの外好評で」(気持ち)ということがあり、部下はそれについてうれしいという気持ちを代弁しています。これでこの上司はますます機嫌がよくなると思います。
ちなみにこの承認の方法は、臨床心理士ロジャーズが提唱している「傾聴の3条件」の一つである「共感的理解」に相当します。
状況理解とフラットについて考えてみる
状況の理解をする
社会人の経験が豊富であれば、思い込みによる失敗は何度かしたと思います。それぐらい当たり前ですが、この状況理解をしないと簡単にモヤモヤしてしまいます。
特に重要なのが
- 「納期」「進捗」などの時間
- 「懸念材料があるか」「別の上司」などの仕事が進まない要因
- 「その人の現在の家庭」「プライベート」「勤務体系」などのその人の周りの環境
です。上2つはそれが原因で仕事のコミュニケーションが進まないのはわかるかと思いますが、一番下は疑問に思うかもしれません。
例えば、プライベートで「彼氏/彼女に振られた直後」「子育てで夜泣きがひどかった次の日」など、プライベートの状態で仕事のパフォーマンスはどうしても上がったり下がったりしてしまいます。
仕事のやる気が感じられないように見えて実は、プライベートで大きな悩みを抱えていたなんてことは、あります。その人の周りの環境を理解するだけである程度の状況理解が進みます。ただ、プライベートな状況をこちらから聞くのは、あまりおすすめしません (ハラスメントやコンプラ上) 。相手に「そういう事情があるかもしれない」と思って話をするぐらいが良いです。
普段の雑談の中や他の同僚、上司などの会話からその人の環境を知っておくことは、状況理解の助けとなります。
フラットに接する
「どうせ違う人間」
ここは、考え方の問題です。”他者理解について”の章で「初めて同士は意外とモヤモヤは起きない」という話をしました。これは、お互いわからないという前提に立っているからです。
これを別の角度から見てみると期待をしていないからになります。お互い仲良くなったり、一緒にいる時間が長くなるとどうしても“こうするであろう””こういう人間だからこう考えるだろう”という期待値(偏見や先入観)を持ってしまいます。
これを常にフラットな状態(期待値0の状態)にするのがきちんと相手の気持ちを見ることの鍵になります。「どうせ違う人間なんだからわからなくて当たり前」という状態に入れておくことでこの期待値を0の状態で相手を見ることができます。
他者理解のまとめ
他者理解は、相手の理解を進めると同時に自分のモヤモヤを減らすコミュニケーションの考え方(技法)です。カウンセラーでなくても実践できるので、まずは相手を承認することから始めるのが吉です。
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