こんにちは管理部さん(@acts1216)です。今回は『消込処理の方法』についての記事です。
経理事務は伝票の仕訳や支払業務など経理に関わる仕事をしています。そんな中で大事な仕事の中に消込処理というものがあります。
経理の上級者は当たり前のように行っている仕事でも、他部署や新人は大変そうな仕事のように思われます。実際、単純な作業で疲れますがやることは簡単です。
消込処理は経理事務の基本中の基本
会社の中での消込の役割
一般的な会社は、サービスや物を売った場合、しばらく経ってからお金が入ってきます。このしばらく待つまでの間の売上は経理用語で売掛金と呼ばれます。
消込処理はこの売掛金と実際の入金があっているかを確認する作業です。
では、ものを売ってからお金が入るまでの間をタイムラインで見ていきます。この会社は下記のとおりの家具の販売会社(A社)で小売店(家具屋さん)に製作した家具を販売しています。
- 12/2家具屋さんに家具を10,000円で売った
- 12/5家具屋さんに家具を30,000円で売った
- 12/29家具屋さんに家具を100,000円で売った
- 12/31請求書を作成して家具屋さんに代金の請求した
- 1/10家具屋さんから代金の入金があった(消込処理)
私たちはコンビニやスーパーで買い物をするときは、レジに行った都度現金で支払いをしています。これを”現金取引”と言います。
対して↑のタイムラインのように家具屋さんが何回か家具を購入し、一定期間で代金の請求をすることを”掛売取引”と言います。請求書には家具すべてを合わせた金額で月末に140,000円の請求をしています。
この14万円の請求のお金がはいってくるまでの間をA社側から見ると売掛金と呼びます。反対に家具屋さんから見ると買掛金と呼びます。
消込処理は会社によって売掛管理/入金処理/債権管理などと呼ばれます。
消込をしないとどうなるの?
ほとんど掛け売りの会社では消込処理をしています。もし、消込処理をしなかった場合は、だれからいくら入ってきたのかを把握できなくなります。そうすると下のようなことが起こります。
- 実際にお金が入ってきたのかわからないため再び請求書を出してしまう
- お金を入れていない会社把握できない
- そのため自分の会社のお金が減っていく
- 支払ってもらったかどうかわからないので催促できない
- 最悪、黒字倒産になる
と、消込処理をしないためにいわゆる黒字倒産になる可能性があります。というのも、会社はサービスやモノを売った代わりにお金をもらいます。売ったはいいがお金がもらえない状態が続くため、資金が底を付き、買った会社や従業員に支払いができなくなり倒産に陥ります。
そのため経理事務の消込処理は実はかなり大事な仕事です。
入金消込の実践方法
最近では、クレジットや電子マネーによる支払いもあり、掛け売り商売自体が縮小傾向にありますが、それでも大企業・中小企業問わず掛売の決済はまだまだ多くの企業で採用されています。
Excelで消込処理をする方法
いまだ多くの会社では消込処理にExcelを利用しているところも多くあります。ここではエクセルで消込処理の方法を実際に見ていきます。
Excelは列(縦軸)がお客様、行(横軸)がお金の流れを表します。
上のエクセルは、一般的なエクセルの消込管理表です。前月繰越・今月発生はだいたいの販売管理ソフトでExcelに転換することが可能です。それぞれ名称は下の通りです。
- 前月繰越…前月(12月末)で請求書を出した時点で残っている売掛金
- 今月発生…今月(1月中)に売上げた売掛金
- 入金日 …入金した日
- 今月入金…今月(1月中)に入ってきたお金(と振込手数料などの差引された金額の合算)
- 次月繰越…2月に持ち越される売掛金
- 簡易チェック…問題ないお客様はOK、何かしらの問題があるお客様はNGとなる
先ほどの例の前提条件では、毎月月末に請求書を締めて、翌月までに支払いを終えるように約束をしています。そのため、簡易チェックで問題のないお客様と問題があるお客様に分けています。
分ける方法は、今月発生と次月繰越が一致していれば”OK”となります。Excelだとif関数を使います。もし、家具店Aの簡易チェックがG3のセルにある場合は下記のような関数になります。
=if(C3=F3,"OK","NG")
今月発生した売掛金と次月に繰り越す売掛金が一致すれば問題ありません。これは2月中に支払いが完了していれば問題ないからです。
消込で問題のあるお客様と問題のないお客様
上の例の中で3件NGがありますが、問題のあるお客様と問題のないお客様がいます。
家具店Bは問題のないお客様です。理由として、過入金(多く支払いをしている)のお客様だからです。多く支払いをしてしまった場合、契約にもよりますがおおむね次の月の支払いを少なくすることが多いです。
今月発生(1月)が10万円ありますが、前月の繰り越しより1万円多く支払ってしまったので次月(2月)の繰越金額を減らしています。
逆に家具店CとGが問題のあるお客様です。理由は約束の期日までにお金を払っていないからです。但し、経理事務が確認できていないがお金を支払っていることも考えれられます。
このように問題ある場合(入金の金額が足りていない場合)は下記の理由が考えられます。
- お客様側の問題
- 支払金額を間違えた
- 振込手数料があった
- 支払い忘れ
- 支払えない
- 経理側の問題
- 消込処理を間違えた
- 別口座への入金があった
- 通達のミス
この中で振込手数料は、契約にもよりますがこちら側の負担となります。この場合、振込手数料分の金額を差し引かれているので問題ありません。Excelの今月入金の個所に振込手数料を含めた金額を入れるのが一般的です。
また、こちらへの振り込みの場合専用の口座を用意していることもありますが、お客様の手違いにより別の口座への支払いがあることがあります。問題のある場合は、別の口座も念のため確認しておくと良いです。
金額が一致しない場合の対処法
金額が一致しない時はこの順番で対処すると社内の担当やお客様に迷惑をかけにくいです。支払期日や支払えないといった場合、まずは電話をして確認することをおすすめします。
- 振込手数料の金額か(契約通りの入金か)
- 消込に間違いがないか確認(入金日、入金先、入金金額があっているか)
- 普段使っていない口座などに入金がないか
- 営業担当などに連絡されているか
よほど普段から対応の悪いお客様でない限りは、支払間違い(忘れ)の場合が多いのでまずは電話で「入金がないようですが?(入金金額が違っているようです)」といった話をすることをおすすめします。
金額が一致しないのはいろいろ原因があるカモね
消込処理の未来(AIが消込処理を楽にする)
PCが一般企業で使われる以前までは、紙の台帳で管理していました。紙の台帳は、毎日の売上金額を記載し、締め日に締日までの売上げ金額を計算します。計算された台帳を複数の経理担当者が確認し、消込処理をおこなっていました。
PCが大半の企業で使われだしたころからExcelや専用ソフトで消込処理(売掛管理や債権管理とも言います)をし始めました。この時期ぐらいになると経理の仕事はよほど大企業でない限りは1人の担当者だけで足りるようになりました。
そして現在、決済手段が増えた半面、自動化の流れが進んでおります。一部の会社ではまだ紙の台帳を使っていますが、ほとんどの企業では大半の流れは自動で処理が可能となりました。
今後はAIの流れが経理事務の仕事の大半を奪います。とはいえ、全く人の手を使わないこともありません。経理担当は入金が遅くなってしまった会社に対して連絡をして入金を催促したり、経理事務の仕事の幅が広がったりします。
今まだ、売掛債権の仕事だけおこなっている経理の担当者は、仕事の幅を広げるために転職や資格なども考える時代になりつつあります。
やりがいがある仕事で輝く為の就活支援サイト/キャリジョブ消込処理のまとめ
いかがでしたか。消込処理は内容は簡単でも人の手で仕事をすると単純であるがゆえにミスも発生しやすいです。今の時代AIにとってかわられつつありますが、決済手段が増えたためまだまだ人の手が必要な分野でもあります。
この時代の流れに取り残されないように基本中の基本である消込処理の基本をマスターしたかと思います。
さいごまでお読みいただきありがとうございました。
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