こんにちは管理部さん(@acts1216)です。今回は『OODALOOPについて』の記事です。まずはこちらをご覧ください。
これがOODAループ…。パインアップルの輪切りに見えるカモ!
こちらはOODAループを図式化したものです。よく見るPDCAサイクルとは名称や内容が違います。今回はOODAについて説明し、中小企業が使うのはどちらが良いのかという結論もご紹介します。
勘違いする人も多いですが、PDCAが劣っていてOODAが勝っているということではありません。不確定要素が強く状況が変わりやすい環境ではOODAが活躍して、状況変化が乏しい場合は、PDCAの方が有利に働きます。
ただ、環境変化が激しい現在ではOODAで回していった方が有利になることが多いです。
OODAループとは何か
OODAってそもそも何の略?読み方は?
OODAとは、Observe、Orient、Decide、Actという単語からなり、語頭をとってウーダと呼ばれます。
もともとは、空軍パイロットだった”ジョンボイド大佐”が提唱した理論で軍事行動の指揮官の意思決定を対象としていましたが、ビジネスモデルとして多くの企業が採用しました。
もともとは空軍の意思決定だったんだハシ!
ウーダの詳細-観察、状況判断、決定、行動のループ
OODAは、4つのプロセスに分かれています。
- フェイズ1観察フェイズ (Observe)
生データを収集し、観察するフェイズ
- フェイズ2状況確認フェイズ (Orient)
生データを分析、状況確認するフェイズ
- フェイズ3意思決定フェイズ(Decide)
分析結果、状況確認に基づいて意思決定するフェイズ
- フェイズ4行動フェイズ (Act)
意思決定したことに基づいて行動するフェイズ
に分かれます。
この4つのフェイズを繰り返していくことによりOODAをループさせます。
後述しますが、必ずしもOODAと回していく必要はなく、Orient-Decideまでの間で一度Observeに戻ることもあります。
Observe(観察する)
もともとはパイロットの状況判断のための観察です。計器類や目視の情報を判断する前段階として”生データ(加工のされていないデータのこと)”の収集を意味します。
生データを加工するのは、次のOrientとなります。
経営に落とし込むと、ビックデータの情報、財務諸表(P/S、B/L、C/F)、KPI,KGIなどの目標管理の情報、経済指標、現場の声などを指します。
特に直感的なデータ(現場の声、目視、気づき)も重視するところがPDCAとの決定的な違いです。
Orient(状況の判断をする)
Observeの生データを加工・分析し、経験などを照らし合わせ、現在の状況を把握します。
経営に落とし込むと、データを加工、分析し、今後の仮説を立てるステップになります。
ビッグO
提唱したボイド大佐がこのOrientのカテゴリーが一番重要ということでビックOと名付けました。
OrientはCultural Traditions(文化的伝統)、Analysis & Synthesis(分析・総合)、Previous Experiences(従来の経験)、New Information(新しい情報)、Genetic Heritage(世襲資産)の下、情報を把握します。
Decide(決定する)
Orientステップで判明した状況、それに基づいた分析、仮説に基づいて意思決定をします。
経営に落とし込むと、”経営判断”のプロセス、方針の策定、になります。
Act(行動する)
Decideプロセスの判断や方針に基づいて行動します。経営に落とし込むと、Decideで決めた経営判断や方針、仮説に対して行動します。その後、再び、Observeプロセスに戻ります。
時にはOOA、OODだったりする(Implicit Guidance & ControlがOODAを早くする)
理想としてはOOA(Observe→Decide→Act)
このOODALOOP実は、宮本武蔵の『五輪の書』の影響を受けています。この話を聞いたとき、武士が状況判断と共に相手に切るという想像をしました。
というのも、途中のOrient(状況判断)プロセスをすっ飛ばしてActにすることが理想とされます。これはImplicit Guidance & Control(暗黙の誘導制御)と呼ばれます。わかりやすく意訳するならば、職人のカンなどです。決定をすっ飛ばしてすぐ行動に移すことを言われています。
五輪の書を参考にしたのか~!聞くところによると『孫氏の兵法』も参考にしたらしいハシね!
途中のフィードバック(OODLOOPにもなる)
このOODAは途中にfeedbackがあります。これは、例えば、Dの決定プロセス時に状況の変化や状況判断が誤っていた場合やさらにデータが必要になった時に最初のOに戻って改めてループに入ります。
PDCAとの違い
上の図が違いですが、PDCAは、計画(Plan)→行動(Do)→検証(Check)→改善/調整(Action/Adjust)という流れを繰り返し行います。一方、OODAは、観察→分析/状況判断→決定→行動という流れを繰り返しています。
双方を無理やり当てはめると、PDCAのPの中にOOD、Dの中にA、残りのCで再度OODがあり、Aが再度Aとなります。これだけ見ると、二回行動できるかの如くスピード感が増します。
実を言うとこのビジネスモデルは、PDCAより意思決定のスピードが段違いに速いという特徴を有しています。
オレンジの輪切りと、パインアップルの輪切りに見えるカモ…
企業でOODAを使う実践方法
最後の章で紹介していますが、OODAは小さいプロジェクトや個人での活用がしやすくなっています。
上記はおおよその流れなので例として“地域密着型ホームページ制作企業の新規顧客営業チーム”という体で考えてみます。
ビジョンを決める(OODAのクリアするべきものを定める)
OODAの弱点の一つとして『結局何をしたいのか』がないとOODAループが作成できません。
ここでは初めに夢やビジョン、勝利条件、目的を決めます。
生データを収集し、観察するフェイズ(Observe)
最初のステップ生データの収集と観察です。この企業の営業の場合、地域密着型のホームページなので、収集するものは、
あたりですかね。
生データを分析、状況確認するフェイズ(Orient)
生データを分析します。例えば、こんな感じ。
等であったとします。こうすると、飲食店で安くて、テンプレートなどでサクッとでき、アフターフォローが充実しているパッケージが売れそうだとわかります。
分析結果、状況確認に基づいて意思決定するフェイズ(Decide)
分析状況を確認して今後の方針を決定します。
などの方針が決定されます。もし、この決定時に何らかの実行できない可能性が予見できた場合、feedbackをして最初のOに戻るのもあり。
意思決定したことに基づいて行動するフェイズ(Act)
意思決定がなされたら、 決定に基づき行動します。もし、パッケージ開発だったり現顧客、取引先からの紹介だったりがうまくいかなそうな場合、改めて最初のOに戻り、OODAループを改めて進めます。
結局、PDCAとOODAはどっちが良いの?
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最初の結論のとおり、外部環境、責任者の意思決定によりけりです。ただ、下の得意苦手が参考となります。
OODA | PDCA | |
---|---|---|
得意 | 臨機応変、不測の事態、環境変化 | 目標設定・達成、計画、長期スパン |
苦手 | 目標の設定、実行計画、長期スパン | 急激な変化、短期の見極め、方向転換 |
得意とする分野 | 中小企業、小規模プロジェクト | 大企業、生産工場(ライン) |
おおむね、大企業や大型のプロジェクト、日本型企業の場合はPDCAに合っており、OODAは個人、スモールビジネス、欧米型の企業と合っていると言えます。
OODA自体も万能ではなく、
- 夢やビジョンが必要不可欠
- 個人の能力に依存する
- 日本語の参考文献・資料が少ない
などが、デメリットとして挙げられます。
環境の変化が乏しい市場などであれば、なおさらPDCAから乗り換える必要はありません。
しかし、現経済はPDCAでは対応しきれないような目まぐるしい市場の変化、情勢の変化が起きており、OODAが注目されているのが現状です。
やっぱり使い分けが大事カモね~
今回は『OODA』についての記事でした。最後までお読みいただきありがとうございます。
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